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 友人宅で、Raffiに出会った。RaffiはS島に住むミュージシャンで、彼の音楽のジャンルは子供のための音楽、つまり童謡だ。彼は英語圏で最も人気のある子供音楽の歌手(ワシントンポスト評)と呼ばれている。特に北米では、彼を知らない子供たちはいない(もちろん子を持つ親も)といってもいいほど愛されている有名なミュージシャンなのだ。
 
 彼は作家でもあり、子供向けの童話を多数出版しているだけでなく、自伝や大人向けの著書もある。持続可能な世界についての講演活動も行っているようだ。そんな彼が、
「これまでただ単に身の回りのことを指していた『環境』という言葉を、自然環境という意味で使い出してから、私たちと自然が切り離されてしまった」
「自分が今いる社会に適応しにくいなら、その社会から離れてこそ、自分らしく生きることが出来る」
と穏やかに話してくれたのが印象的だった。示唆に富む話がいろいろ聞けて嬉しかった。

 その彼が、私たちの前で、ギターを弾いて彼の歌を歌ってくれた。そこはかとなく愛情が感じられる歌詞と、やさしいメロディーが心地よい。そらまめ農場にも彼のCDがあって、その自分の知っている有名なミュージシャンが目の前でギターを弾いて何曲も歌ってくれるなんて、初めての経験だ。しかも彼の弾いているギターは、私のギターなのだ。

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 ギターにサインまでしていただいた。がはは。ミーハーな私ですんまへん。


Turn This World Around by Raffi

Haru Ga Kita by Raffi



ピーすけ
2011.07.04 葡萄
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 自宅のデッキの柱の下に植えた葡萄が屋根まで伸びて、実が着いた。苗をホームセンターで買って植えて、今年で四年目で初めてたくさんの実が着いた。私たちの近所で葡萄を栽培している人や農家は無く、私はこれまで、てっきり当地方では、病害虫や病気などが出て栽培が難しいのだろうと思い込んでいた。

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(5月中旬の葡萄)

 それでもと思い4年前に植えてちょこちょこ世話をしていたら、今年は蔓が急ににょきにょき伸びて、5月にかわいい実がたくさん着き、それが1ヶ月とちょっとでこんなにたわわに実ったのだ。嬉しい。

 調べてみると、葡萄は北海道から沖縄まで、日本全国で栽培できるらしい。栽培も比較的簡単だそうで、案ずるよりは産むが易しで、恐るるに足らずと言ったところだ。

 フランクリン・ルーズベルトの言葉に次のようなものがある。
「私たちが恐れるべき唯一のものは、恐れることそのものである」

 ラジウムを発見したマリ・キューリー(キューリー夫人)は、さらに次のように述べている。
「人生において恐れるべきものは何もない。あるのは理解されるべきものだ。今は恐れを減らすために、さらに理解すべき時だ」

 まだまだ葡萄のことはよく理解できていないので、栽培について少し調べてみたら、せっかく実った葡萄の房が、これから害虫や病気にやられると書いてあった。そりゃ大変だ。勿体ない。それで娘夫婦が袋かけをしてくれる。でも一部は袋かけなしで収穫時まで様子を見てみよう。ただただ恐れていてはいけない。ちゃんと観察しよう。

 葡萄は今年蔓をどんどん伸ばして、来年はいっぱい側枝を芽吹かせて、100房くらい収穫したいな。この秋にはもう一種類葡萄を植えるつもりだ。これから毎年秋には、どっさりの葡萄と葡萄ジュース三昧ができるかな。ワインやバルサミコ酢も作って楽しめるかな。ワインはいかん?こっそりならいい?

 僭越ながら、私はルーズベルトとマリ・キューリーの言葉に、さらに次の言葉を付け加えよう。
「恐れを減らし理解を深めるのに必要なのは、とびきり楽しい夢想」


ピーすけ
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 ドライブしていて、妻が道ばたの空き地にこんな物を発見した。置かれているのはバーベキュー用のグリルで、”FREE”と書いた紙が張ってある。カナダではよく見かける光景で、これは、ご自由にお持ち帰りくださいと言うことだ。日本だったら粗大ゴミの日に粗大ゴミ置き場に出されるのが普通で、そしてその粗大ゴミを拾うのは勇気がいるけれど、カナダでは不要品を自宅前の道路沿いに”FREE”の張り紙をして置いておくと、それを欲しいと思う誰かがさっさと持ち帰ってくれる。

 まだまだ使える物が、その物が使える限り、それを必要とする人々によって使われ続けていくのだから、道理にかなっている。なかなか便利でいいシステムだ。そもそもまだ使える物を粗大ゴミと名付けて、それで安心して安易にゴミとして捨ててしまう文化は、反省していいかもしれない。

 道路沿いと言えば、自動車が置かれていて、”FOR SALE”と書かれた赤い紙に値段と電話番号が書かれて窓に貼り付けてあることもある。その車が欲しかったら電話して、さらに値引き交渉が可能だ。中古車販売業者を介さずに中古車を売却する手軽な方法で、買い手は現車を確認できるのがいい。お互いが高く売れて安く買えるいい方法だ。この”FOR SALE”の赤紙も、それ専用の用紙が、雑貨店やスーパーなどに売ってある。

 トラックの荷台にいっぱいに積まれたストーブ用の薪に、薪の値段と電話番号が書かれた紙が貼られて、これも無人のまま道路沿いに放置してあることもある。その薪が欲しかったら、書かれている電話番号に電話すればいい。そのトラックで家まで持ってきてくれる。素人でも庭の木を切って、それを薪にしてトラックに積んでどこかの道端に置いておけば、欲しい誰かが買ってくれると言うことでもある。いずれも、合理的でわかりやすい方法である。

 さてドライブの帰り、来たときと同じ道を通ったら、先程のバーベキューグリルはもう何者かに持ち去られていた。さすがにカナダ人、道路脇をよく見て通行している。欲しいと思ったら直ちに手を付けないと、すぐに他の誰かに持ち帰られてしまうのだ。欲しいと思いつつも日本風に恥ずかしいなどと躊躇していると、きっと後悔することになる。むむぅ、あれは大型の、結構いいグリルだったのになぁ、残念無念!…てか、正直に話すと、実は私が拾いましたです。

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 これは、下段にプロパンガスボンベをセットして使うタイプのバーベキューグリルで、中古品ではあるが程度は良い。かたまり肉を両側から突き刺してぐるぐる回せるハンドルも付いており、こりゃなかなか豪華版やないの。これがタダやとはね。うふふ。うひひ。いや〜、神様は遠くからでもよく見ていらっしゃる。どうもどうもありがとう。
 
 関西地方の家庭には必ずたこ焼き器があるという。実際私の自宅にもなぜか3つほどあるが、カナダの家庭には、この手のバーベキューグリルが、ガーデンの隅っこや軒下に、必ずと言っていいほど置いてある。パーティーなどに行くと、ホストがこのグリルで肉やサーモンやソーセージなどを焼いてくれるのが定番だ。これがないのは、菜食主義者の家庭か、モグリのカナダ人家庭。欲しかったんだなぁ、私もこれが。

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 早速きれいに洗って使ってみる。日本で売られている焼き肉グリルは金網だけだが、こちらのグリルには必ず蓋が付いていて、肉でも何でも蒸し焼きにすることが多い。 外こんがり中ジューシーで、なかなかおいしい。この蓋付きを利用して、Yさんに今日どっさりもらったサーモンのアラを燻製にしてみる。

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 そしておいしそうな飴色に色づいた。煙のにおいが落ち着くのを待って、明日食べてみよう。

 今日はFREEづくしでうれしい一日だったなぁ。もしカナダ(北米)でドライブすることがあったら、道路脇には注意だ。そして、中古品だからとか、拾うのはちょっと…と躊躇し恥ずかしがる必要はない。堂々と車に積み込もう。


ピーすけ
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 よく熱したフライパン(深めの鉄鍋)にオリーブオイルを引き、ラム肉を少し焦げ目が付くほど炒める。芳ばしい香りがたまらない。タマネギと人参を加えて炒め、ざっと火が通ったら皮付きのジャガイモの乱切りを加えてさらに炒める。

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 そこに、クミン、パプリカ、コリアンダー、チリパウダー、ニンニク、ショウガ、ローズマリー、月桂樹を振りかけて炒める。今度は香辛料の香りがあたり一面に漂う。

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 少し水を加えて、トマトの水煮を加える。

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 蓋をして、ラム肉が柔らかくなるまで煮込む。今回は、土管や穴あきの古鍋、捨てられていた2重煙突などのあり合わせの廃材で作ったロケットかまどで、森で拾った木の枝を燃料に調理した。ラム肉は…私が私の手で、羊から直接いただいた。南無…。

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 火力が落ちたら、上部から直接薪を放り込む。

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 これで5分近く、さらに強力な火力が得られる。

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 かまどは恐ろしいほど燃えて、鍋の取手まであっちっち。蓋をした鉄鍋のおかげで、短時間で十分火が通り、ラム肉のトマト煮込みが完成した。

 ラム肉の深いうまみとトマトの酸味に香辛料の香りが漂って、これぞまさに自然の恵み。心の底から感謝して、いただきます。


ピーすけ
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 友人のYさんがポールトリースワップ(Poultry Swap)に行くというので、興味津々で私も出かけた。ポールトリーとは、日本語ではポートリーとも書かれることもあるが、鶏やアヒルなどの家禽(かきん)のことで、つまりポウルトリースワップとは、家禽交換会のことだ。ポウルトリーイクスチェンジ(Poultry Exchange)とも言われる。この催しはカナダ各地で催されているようで、主催はその地方の家禽飼育の同好家たちのグループのようだ。

 システムは至って簡単で、開催場所と日時が決められ、新聞などにそれが掲載される。参加したい人は、そこへ自分の飼育した鶏やアヒル、かもやガチョウなどを持ち寄り、交換しあったり売買したりする。売り手は参加費5ドル。また手ぶらで参加して、欲しい鶏などがいたら、そこで買うことも出来る。この場合は参加費無料。それだけだから、とても気楽に参加できる。

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 さてこちらの立派な黒い鶏は、ダニエルが大事に育てた1歳半の雄鳥だ。犬は飼い主に似ると言われるけれど、鶏も飼い主に似る。とてもおとなしく、ダニエルが温厚な人であることが分かる。この雄鳥はコケコッコーととても立派な声で鳴くが(本当はカナダでは、クックドゥードゥルドゥと鶏も英語で鳴く)、近所から苦情が出て手放さなくてはならなくなったそうで、それでこの会場に持ってきたのだそうだ。代金はなんと無料。Yさんがもらい受けることで話が付いた。ダニエルがYさんを見て、
「食べるんじゃないだろうね」
と釘を刺したのが面白かった。さすがいい勘をしている。Yさん、すぐには食べないと思うけれどね。ダニエルが鶏が元気か、そのうち確認しに来るかも。

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 こちらのトラックの荷台には、さて何が?

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 右のボックスには、生後2週間の鶏のひよこ(1羽10ドル…約850円)と生後9日のガチョウ(価格応談)、左のケージには、今年生まれたウズラ(1羽6ドル…約500円)が。

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奥のケージには、生後1年の七面鳥(20ドル…約1700円)。これは食用か。

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(ガチョウに触れて喜ぶ子供たち)

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 さてこちらはギニーヘン(ホロホロ鳥)のつがい。Yさんの出品だが、残念ながら買い手付かず。

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(Free to a good home!)

 こちらにも、無料のアメロウカナ種の鶏が、住む家を探していた。

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 アヒルの有精卵(8個6ドル…約500円)も売られていて面白い。ちょっと汚れてはいるけれど、この卵はこのまま孵卵器に入れて温めると、約3週間でヒナが孵る。

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 私が日本で採卵鶏を飼育しているファーマーだと話すと、養鶏倶楽部のメンバーのドナが、こんなカタログ雑誌を見せてくれた。

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 アメリカの雑誌のようだが、いろんな種類の鶏をこのカタログを通じて注文出来るらしい。アメリカに珍しいヒナなどを引き取りに行って、育てた鶏をポウルトリースワップで販売する人もいると言うことだ。様々な養鶏道具のページもあり、趣味の範囲とはいえ、私が見てもとても充実していて満足出来る物だ。こちらでは自宅で家禽を飼育する人たちがポピュラーで、多くのニーズがあると言うことだろう。この交換会も、開拓時代から続いているものなのかも。

 私が子供の頃、一般家庭で鶏を飼育することはごく普通のことだったけれど、それはもう遠い昔のこと。今となっては、一般人が鶏の雛を手に入れることすら至難の業となってしまった。そもそもそれ以前に、日本では、庭先で鶏を飼うという発想が、もう殆どの人の頭にはないとも思う。一方同じ先進国のカナダでは、今もこんな文化が当たり前に続いている。どこがどう違うのだろうか。どこでどう違ったのだろう。

 日本にもあったらいいなぁ、こんなシステム。あなたも自宅の庭に鶏やアヒルなどのいるのどかな暮らし、始めてみたくない?


ピーすけ
2011.06.06 じゃがいも
 じゃがいもは国内自給率が高い。平成20年時点で約76%だ。タマネギや人参などと並んで毎日の食卓に欠かせない食材なので、日本でたくさん生産されていると知るとうれしい。ついでに調べてみると、タマネギも人参も国内で70〜80%が自給されていて、少しほっとする。

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 種ジャガイモは、芽のたくさん付いたところは思い切って切り捨てて、芽の少ないところを3〜4つに切り分けて伏せる。

 当地方では、普通じゃがいもは2条植えだ。2条植えというのは、ひと畝(うね)に2列に植えることだが、私たちは1条植えで、贅沢に畑を使って広々と植える。株間(じゃがいもとじゃがいもの間隔)も50センチ以上と少し広め。そして一カ所の種芋からたくさんの新芽が顔を出したら、間引いて1本仕立てにする。1株に1本の新芽だけ残して、後はすべて引き抜く。生育初期は、広い畝にじゃがいもがさみしく1本植わっているという状態だ。

 育って行くにつれ、1本の新芽につき、20個以上のマッチ棒の頭のようなかわいい芋が地下に付く。芋の赤ちゃんだ。もし1カ所に新芽2本仕立てだと、そこには40個以上の芋が付く。3本だともっともっといっぱい。やがて葉の光合成で作られた澱粉が地下茎である赤ちゃん芋に送られて蓄えられていき、それで芋が太っていく。しかし送られる澱粉ががたくさんの芋に分散されると、多くの芋は十分に太ることが出来ない。

 そこで1カ所1本仕立てにして芋の数を20個程度にし、葉を畝上面だけでなく谷まで、隣の畝のじゃがいもの葉と触れ合うほど、つまり畑の地面が全く見えなくなるまで十分茂らせる。それによって葉に太陽の光を十分に受けさせて、作られた澱粉すべてをその20個の芋に送り込み、20個全部を太らせるという作戦を取る訳だ。40個の使いづらい小さい芋か20個の大きい芋かは、これで決まる。1本のジャガイモがどこまで葉を広げていくことが出来るかを1年試して確認してみたら、翌年以降の植え付け時の種芋の株間を、どれくらいに広げたらいいかが分かる。

 たくさん収穫したくて、ついたくさんのじゃがいもを畑に狭く植えてしまいそうになるし、せっかく顔を出したたくさんの新芽を1本にまで間引いてしまうのは躊躇するが、ここはえいやっと思い切る。これはやってみると、簡単そうで難しい。小心者(特に妻?)にとっては、これはまさに葛藤の種となる。つい周りの畑を見回して、みんなと同じにしたらやっぱり安心かなと参考にしそうになったりして。だから、種芋の芽の集まった所(植えるといっぱい芽が出てくる部分)をあらかじめ切り捨てて使わないのは、作業を進めやすくすると共に、躊躇を回避するためにも役立つ。

 広い場所で太陽光をいっぱい受けてのびのびと育つじゃがいもは、持てる力を出し切って報われているようで、見ていて気持がいい。それぞれに適した十分な場所をしっかり確保して、そこで精一杯生きる。私もそんなふうに生きたいな。

 今回、たくさん積んで何度も切り返しをして作った貴重な堆肥を、雑草を押さえるために畝に厚めに置いた。これも少なくては下から雑草が顔を出す。間引きと共にこういうときも、ケチったらあかん。


ピーすけ
2011.05.23 麦秋
 麦秋と書いて「ばくしゅう」と読む。麦の穂が実り色づき、そして刈り取られる梅雨直前の初夏の時期のことで、麦にとっての収穫の秋のこと。試しに私の娘たちに麦秋という言葉について訊いてみたら、
「はぁ?なにそれ?」
「ビールのこと?」
と、案の定誰も知らなかった。麦秋という言葉など聞いたことがないという。おいおいビールって、それは麦酒でしょ。

 現在小麦の国内自給率は14%で、つまり86%が輸入されており、さらにその日本で栽培されている小麦の約60%ほどは、北海道で生産されている。だからもう、私たちの身の回りで小麦が育つ様子を見ることはあまりない。麦秋と言う言葉は、今ではもうほとんどリアリティがないのかも知れない。

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 去年の秋に、小麦を冬〜春の鶏の緑餌(りょくじ)用に田んぼに蒔いた。裁断した青々とした小麦若葉は、鶏に大人気だ。その小麦の刈り残しに麦秋が訪れ穂が出そろった。今度はこの畑を鶏の冬の餌用のカボチャ畑にする。今年は次の2つのパターンで栽培実験をする。

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 一つ目は、びっしり生えた小麦を一部分刈り取って、その中にカボチャの苗を植える。その後は秋まで小麦を刈り取らずこのまま放置。

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 二つ目は、一つ目のように植えておいて、さらにその周りの小麦をミステリーサークルのように少し踏み倒す。カボチャが育つにつれ、しばらくこうして踏み倒していく。小麦は倒れつつも熟していく。そしてそのまま放置。

 両方のいずれも、夏のカボチャ畑を悩ます旺盛な雑草に対する対策だ。この実験の原動力は、暑い盛りに出来るだけ労力もかけず費用もかけず、なおかつカボチャには草に負けずに育ってもらい、冬には鶏がふんだんに食べられるだけのカボチャをどっさり手に入れたいという都合の良い強い思いだ。

 小麦はびっしりと生えているので、地面を覆い日光を遮る。だからしばらくは雑草の繁茂を押さえてくれるはずだ。一方カボチャは日光を受け、葉が育ち蔓(つる)をのばしていく。小麦は1ヶ月以内に黄色く実り、実を落とし、そのまま放置すると葉も茎も立ち枯れて倒れていく。今度はそれが敷き藁となって、雑草の生育を押さえてくれないだろうか、と期待しているのだ。夏の間カボチャは敷き藁状の地面の上をすくすく伸びて葉を広げて育ち、さらに秋のカボチャの収穫後には、敷き藁の下の地面に落ちていた小麦が自然に芽を出し、この田んぼが再び小麦畑に戻るという算段だ。うひひ、何となくうまくいきそうな予感。

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 田んぼや畑はいつも実験場だ。何をやってみてもいいから面白い。昔から同じことを続けている人には、時には仰天されたり冷やかされたり笑われたりするが、そんなことはどうでもいい。誰もやらないことでも面白い結果が出ることがよくあり、どんどん気にせずやってみる。気候や自然条件が場所によって異なるから、自分の所にあう農法を自分で考案すればいいのだ。いや農法に限らず、生きる上での何事も、それと同じでいいのだと思う。

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 青刈りした小麦は葉を取り去る。見に来た孫にこれが何か尋ねてみると
「おこめ〜」
と元気に答える。いやいやこれは麦だよ、小麦粉になるんだよと、教育じいじはこの機を逃さず実地教育をする。

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  葉を取り去った麦穂は、束ねて菓子工房につるしてドライフラワーにして、お店のディスプレイに使う。これって買うと、結構高価なんだな。

 さてそれでも念のため、妻にも麦秋を訊いてみた。
「麦秋って言葉は知っとるよ。えっ、ええっ、麦を蒔く晩秋のことではなくて今の季節のこと?」
との返事。うんちくじじいはここでも知識を垂れる。


ピーすけ
2011.05.16 果樹の初夏
 確か二週間ほど前まではストーブを焚いていたのだが、あっという間に気温が上がって、ここ1週間は毎日外デッキのテーブルで昼食を食べている。もう昼間はTシャツで過ごした方が過ごしやすくなった。少し動けば汗の流れる蒸し暑い日もある。もう少しゆっくり春を楽しみたかったのになぁ。

 娘が学生時代に教えてもらったカナダ人の先生は、
「日本人は日本には四季があると言うけれど、寒〜い冬と暑〜い夏しかない」
と激しい気候の変化に恨み言を言っていたそうだが、分かる気もする。毎年、春は一瞬の内に過ぎていく。でもそんな足早な季節の移り変わりに遅れることなく、初夏に果樹は順調に芽吹き育ち、楽しみな姿を見せてくれる。

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 数年前にデッキの柱の根本に植えた葡萄(キャンベル)には、4月半ばには枯れたような枝しかなかったが、その枝からするすると黄緑の蔓が伸び、かわいい花芽がたくさん付いた。葡萄って、小さいときからこんな実の様な花芽が付くって知ってた?

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 3メートルほどの高さの木に、もう50以上の房が着いた。これは成長が楽しみだ。秋にはフレッシュグレープジュースに、妻はワイン?

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 温州ミカンにも、もうこんな花芽が付いている。もうすぐ白い花が咲いて、それが小さな緑色の玉になって、だんだん大きくなっていって、秋には黄色く色づいていく。

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 春先の霜で新芽が枯れたかと心配していたイチジクも、5月になって芽吹いた。苗木を植えて2年目。今年は実がひとつは付くかな。皮ごと食べられる西洋風イチジクなので楽しみ。

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 琵琶の実もいっぱい。でも欲張って摘果しなかったので、今年も小振りかも。

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 桑の実(マルベリー)も、芽吹いたと思ったらもう実がいっぱい。多いときには20Kg以上の実が収穫できるが、去年は実りが今ひとつだった。今年は期待できるかな。甘酸っぱいジャムに、これもワイン?

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 私の好物のキンカン。秋に無理な植え替えをしたのでてっきり枯れてしまったと思っていたが、妻が、枯れ枝から芽吹いた小さな新芽を発見。生きていてくれてありがとう。来年くらいには復活か。がんばれ。

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 若々しい黄緑色の柿の新芽にも、もうちゃんと花芽が準備されている。去年は外れ年だったが、今年はきっと豊作年。今年こそ柿ワイン?

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小梅も結実。しかし数えるほどしか実が付いていない。「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」と言うらしい。桜は剪定しない方が花芽がたくさん付いて、梅の枝は、きちんと剪定し手入れをしなければ花芽が付かないという教え。私は馬鹿?

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 一方こちらはサクランボ。なんと3mほどの高さの木に、数千個から1万個(?)ほどの結実か。過去最高の実付き。枝を切らぬ私は天才?いえいえそれほどでも。鳥に食べられないように、ネットをかけよう。きっと食べ切れないほどあるから、サクランボワインにも?

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 こちらは柚子の実。今年もたわわ。秋には絞るぞ柚子ジュース。

 春は行ってしまったけれど、新緑の初夏には、果樹の嬉しい芽吹きがいっぱい。豊かな実りと収穫を想像して、果樹だけに、果報は寝て待てばよい。楽しい割に楽ちーん。 


ピーすけ
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 カナダ滞在中にローフードレストランに行った。ローフードというのは食材を加熱せず生で食べることで、酵素やビタミンを破壊しないことを目的とするらしい。私が滞在するS島には、ビーガン(完全な菜食主義者)のためのローフードレストランもある。もちろんそこでは、肉も卵も魚もミルクも使わないし食べない。鶏を飼い豚も飼う私にはおおよそ似つかわしくない場所ではあるが、街の自然食品店で買い物をしていてレストランのオーナーと知り合い、彼に一人40ドル(3500円)のコース料理を特別に半額にしてあげようと誘われ、恐る恐る、かつ興味津々で妻と出かけていった。

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 こぢんまりとしたレストランにはテーブルが4つあり、それぞれテーブルは6人掛けで、やがてすべて満席になり、私たちはカナダ人カップル2組と相席になった。私たち以外は全員が多分ビーガンであろう。これから1時間少々の間一緒に食事をするので、相席のカップルたちと、お互い軽く挨拶をした…

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 …つもりだったが、私たちが日本から来たというと、向かいの女性は日本に行ったことがあるということで、それで次々いろいろと話が弾んで盛り上がり、自己紹介として私たちが日本のオーガニックファーマーであることを相手に話すことになり、それでいっそう興味を惹かれて何を生産しているか聞かれ、根が正直なものだから、つい野菜だけでなく採卵鶏を飼っていると話してしまい、あげくにその鶏たちをぜーんぶ自分たちで絞めて食べていることも話す羽目になってしまった。何となく気まずい引き潮。盛り下がり。

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 でも気を取り直してフルコース。今日は日本人シェフによる日本食風ローフードだ。きんぴらから天ぷらや寿司まで、野菜を乾燥したり木の実をすりつぶして使ったりと、様々な食材を工夫してそれらしい見栄えと味に調理してあって、それぞれ興味深く楽しめた。たとえば寿司には、ご飯は全く使われてはいない。

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 最後の〆は、ドライフルーツや練ったナッツなどで作られたスイーツ。あちこちのテーブルのお客さんから絶賛の声が上がった。これは本当においしい!

 どのディッシュも比較的量は少なめだったが、野菜を乾燥しているのでかさが減っているのと、ナッツが使われているからだろうか、十分満腹になった。そしてどれも、とてもおいしかった。ローフード、なかなかいけます。

 食後に落ち着いてビーガンのお客さんを見回してみると、全員がスリムで顔つきも姿勢もすっきりしているようで、妻によると、頭も良さそう…に見えて、現実(加熱と肉食)を頑なに拒絶する清廉な潔白さすら感じる。

 でもね。とてもおいしく楽しんだけれども、正直なところ、私は三度の食事が全部ローフードでなくてもいいと思った。もちろん全部菜食でなくてもいい。清廉な潔白さには、もっぱら頭の中で構築された自然観や、自然の上に立とうとする傲慢さも少し感じられたりして。それよりも、私は出来るだけ自然の中で暮らして、いろんな物を食べて、もっともっと動物らしく生きたいと思った。自然界で生きていくって、つまりはそういうことのようにも思えるんだなぁ。


ピーすけ
2011.05.02 花山椒
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 菓子工房の入り口にある山椒の木に花芽が着いた。山椒は雌雄異株で、この花芽は雄株のもの。この雄木のことを花山椒と呼んだりもする。いわゆる実山椒とは雌株のことで、雌株は春先には緑色の実を付け、秋にはその実が固くなりあかね色に変わる。その実を採取して乾燥させ粉砕すると、山椒の粉になる。

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 毎年、そろそろ花山椒を摘み取らなくっちゃと思っている間に春が過ぎてしまうこともあるのだが、今年は妻が、時間も気持ちにも余裕があったのか、ざるを片手にその花芽と新芽を摘み取ってくれた。摘み取る姿も、季節の風情があっていい。新芽も花芽も柔らかくていい香りがして、この香りをかぐと、もうすぐに新緑の5月がやってくることを知る。こういうところ、日本って、いいなぁ。そういえば、今年はまだタケノコを食していない。冬が寒かったからか、タケノコの出は余り良くないそうだが、もう少し待つか。

 福島県のタケノコから、放射性セシウムが検出されたと言う。山菜のコゴミからも。至る所に容赦なく降り注ぐ放射性物質。まさに沈黙の春。もしそれが私の地域だったら、私はどんな思いで自分の庭の山椒の花芽を見るだろう。どんな思いで自分の畑の野菜を見るだろう。

 事故で生じた様々な被害に対する補償もコストとして看做して、だから原発は今なお採算性が高いと考える知識人も多いようだが、それでは私が花山椒を楽しみ、タケノコを楽しみにする気持ちは、いったいどれくらいのコストに計算されるのだろう。1円の値打ちもない?私には、家族の笑顔や健康と共に、金銭に換え難い喜びであり楽しみなのだけれども。

 何でもお金に換えて考えるやり方は、もうやめよう。まずは、かけがえのない自分の時間を、いつもお金(時給)に換えて計算することから自由になろう。

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 花山椒の佃煮を白いご飯にのせて食べる。香りが口中に広がって、その後しびれもやってくる。今年も春がやってきて、その春を全身で感じて、
「僕らは今生きてるなぁ」
と思う瞬間でもある。


ピーすけ
2011.04.25 夜桜
 春というのに、今年はいつまでも寒い。まだ朝晩はストーブを焚いている。時々は昼間も。でもその寒い気候のおかげで今年は桜が咲くのが遅く、4月にゆっくり花が楽しめた。そろそろ満開かなという日曜日の夕方から、家族で夜桜見物に桜公園に出かけた。

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 住宅地を越え山道を登り、さらに森の中へ入っていった先に広がる広い桜公園はかなり暗く、4分の1ほどの部分に提灯が吊り下げてはあったが、全くの無人でひっそりとしていた。妻と二人きりで行ったら薄気味悪くて、きっと引き返していただろう。今夜は多勢だ。広大な公園が我が家の貸し切り状態となった。それにしても満開の日曜日の夕方に無人とは、これも自粛ブームの影響か。しかしそれを見越して発電機と照明を持って行っていたので、ずっと離れたところに設置して堂々とエンジンをかけ、夜空に向けて明かりを点けた。もちろん誰かがいたら、エンジンなどかけないのだけれど。

 思った通りいっぱいの桜の花々はほぼ満開で、下からの明かりを受けて夜空に浮かびきれいだった。空気は冷たくかなり寒くて、ダウンジャケットに毛糸の帽子などみんなまるで真冬のように着込んではいたが、空はピンク色で、確かに春がやってきたことが実感できて嬉しかった。

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 嬉しいと言えば、やっぱり屋外で食べる食事はおいしくて、合板で作った簡易テーブルの中央にランタンを灯し、簡単だが農場で出来た食材を使った弁当を広げてそれを囲んだだけで、わくわくしてくるのだった。いつもの安上がりの贅沢。

 我が家の4歳児が翌日、
「きょうも『夜じゃくら』行こうな」
とせがむ。4歳でも、もう分かってらっしゃる。公園に誰もいなくても寒くても、それでもいいらしい。


ピーすけ
2011.04.18 ブロック積み
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 長年貸していた土地が返却されて、そらまめ農場が北側に少し広くなった。これまで赤目樫を植えて生け垣で塀をしていたのだが、その生け垣よりさらに2.5メートルほど北側に境界が移ることになった。敷地が広がってそれは嬉しいかぎりなのだが、その生け垣を撤去すると、自宅の裏側が道路から完全に丸見えになることが分かった。

 早速家族会議(妻と私)が開かれ、そこに塀を作ることになった。赤目樫の生け垣はすでに2mの高さを超えるまでに成長しており、もう植え替えは難しい。本数も足りない。苗木を買ってきて植えたとしても、目隠しになるまでに5年はかかる。家裏のぼろ隠しには間に合わない。ログハウスに会うウッドフェンスを作るとかブロックを積むなど案の中から、ブロック塀施工案が採用された。

 ウッドフェンスはブロック塀よりも遙かに施工が簡単で見た目もいいのだが、ブロック塀よりも材料費がたくさん必要で、なのに風雨にさらされると10年も持たない。10年後にもう一度作り直さなければならないとなると、そのとき制作者にやる気が残っているかどうかということが問題に上がり、腐らず強固なブロック積み案が、作業の難度に優先して議長裁定されたのだ。ブロック積みはまっすぐかつ垂直に積み上げるのが結構難しい上に、昨年末から右肩を痛め腰痛に苦しむ私にはつらい決定であるが、議長の決定なので仕方がない。

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 塀の長さは約14メートル、高さは約175センチで、高いだけに、幅広の12センチ幅のブロックを使用する。先月から日本各地の地震の破壊力を目にして気弱になっているので、鉄筋は念のため規定より多めに、縦には一枚ごと、横には2段ごとに入れることにした。計算するとブロックの枚数は222枚で、副材料のセメント8袋と砂30袋、鉄筋15本を加えると総重量は3トンを越える。大がかりで大量ですべて重量物なので、やる前に気が萎える。そんな私のために、若いH君が軽トラックで何往復もして材料をすべて揃えてくれた。妻喜ぶ。

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 ストレスなく作業をするために、帯鉄を曲げ鉄板を溶接してブロックにセメントを乗せる道具を作る。10センチ幅の物はホームセンターに売ってあるが、12センチ幅用は見たことがない。ネットで探しても見つからなかった。

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こんな風にセメントを乗せて、枠を外すと…

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こんな風にセメントが乗る。ちょっと仕事が楽しくなる。ブロックの外側や内側の穴に貴重なセメントがぼそぼそ落ちず、小心者は冷や冷やしなくても済む。セメントの高さも一定でブロックが水平に乗せやすい。

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 朝から夕方暗くなるまで、セメントを練ってはブロックに乗せ、さらにその上にブロックを乗せ、縦穴にセメントを流し込み、横鉄筋を縦鉄筋に結束してまたセメントを流し込むという単調な作業の毎日が始まった。ブロック1枚は10Kg以上ある。セメント練りもなかなかの重労働だ。夜型人間の私も、夜は早々に眠くなって布団に入りこむ。普段使わぬ筋肉を使うので夜中に体のあちこちが疼き寝返りを打ち、さらに恒例の尿意で2度目が覚め、睡眠不足で朝9時まで寝過ごしてしまう。妻によると、寝ながらため息もついているそうな。それでも重い体で起き上がって、また夕方までブロックと格闘するのであった。この暮らし、もう11日目だが、ようよう、あと1段の所まで来た。

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 塀はもう私の頭ほどの高さで、高所なので、作業スピードはだんだん落ちて行く。でも人生は山登りと同じ、今は頂上を見ず、足下だけを見て黙々と働こう。きっといつか積み上がる。そう思いながら足下を見たら、もう残り少ないブロックがちらちら目に入って、ちょっと嬉しくなったり。


ピーすけ
2011.04.11 菜の花漬け
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 春先の畑は菜の花畑。水菜、ターサイ、白菜、小松菜、便利菜、大根など一斉にとう立ちし、やがてあれよあれよという間に蕾がふくらむ。普通こうなったら、もう出荷野菜としての値打ちはない。引き抜かれて捨てられるか、トラクターで畑に鋤き込まれる運命。田舎では、このとう立ち菜を余り食べないのだが、いったいなぜ?美味しいのに。滅多に商品として売られていないから?人の食べるものではない?自分が何を食べるかは他人に決めてもらう??

 そんな黄緑色の野菜畑に入り、柔らかくて簡単に手折れるとう立ち菜を収穫して回る。折り採ってもまた数日で又芽が伸びて、少し小振りにはなっていくが切れ目なく収穫できる。とうとう収穫が追いつかなくなって来て、いよいよ花が開き始めた。

 とう立ち菜は炒めて良し煮て良しだが、気温によって一気に豊作となるので食べるのも追いつかない。そういうときは、塩を降って重しを置いて塩漬けにする。塩漬けは2〜3日もすれば完了するので、一回分ずつ小分けして冷凍する。菜っ葉類の漬け物は冷凍保存が可能なのだ。自然解凍して食卓に出す。長く楽しめる。

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 畑に残っていた大根もとう立ちを始めたので、妻が自家製の麹で麹漬けにしてくれた。ほんのり上品に甘い漬け物だ。とう立ち菜と共に食卓に花を添えてくれる。何となくずっと気の重いこの頃だけれど、ああ、今年も春が来たよ。

 このあとこれから、ワラビやウド、タケノコや新茶が初々しく続いて、季節は巡っていく。年月を重ねるにつれて、こんな季節に身を任せた暮らしの豊かさが分かって来て、私もいよいよ違いが分かる男になった?

 これから経済活動が少々減っても、便利さが減っても、豊かさとはあまり関係がない。悲観することも覚悟を決める必要もない。それは逆に、すぐ身の回りにある豊かさに気付く良い機会。ちょっと工夫をしてそれを楽しめば良いだけのこと。そんなことに気付く人が、これから増えそうな。

 欲しい物がたいてい買えて、美味しい物も何でも買って食べられるようになって、世の中便利になりすぎて、だからそんなことには本当はみんな何となく気付いていたけれど、口に出さずに知らぬふりしてただけかも。


ピーすけ
2011.04.04 堆肥を積む
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 大災害が起きて、原発の事故も起こった。今のところ関西はこれまでと同じように比較的平穏なのだが、それでも激しい無常感に襲われる。色々考えて何をやっても何を積み重ねても、それらを根底から一気にすべてを奪い去られるような、そんなむなしさだ。これから夏になって台風が来るようになったら、放射性物質は日本中に、どのように拡散されるのだろう。不安はまだまだ募る。

 でも私たちは生きていく。これから私は、普段からどうやって生きていったらいいのだろう。ここしばらくの間、ずっとそんなことを考えていた。そしてそんなことを考えながら、約15年ぶりに堆肥を積んだ。不安な毎日だが、やっぱりここから出発だ。

 23年前に農業を始めたときは、野菜の栽培が主な作業だったので、畑の中にたくさんの堆肥を積んだものだ。米ぬかや籾殻、落ち葉や雑草を直径の2メートル×高さ1メートルの円柱形のネットにどっさり詰め込んで、それを常時3つ積んで使い回していた。また山に入って大きな穴を堀り、そこに間伐した木や枝打ちの枝葉、下草などを放り込んで火を点け、完全に燃えてしまうまでにその上に山土をかけて蒸し焼きにもした。穴を掘るのも土をかけるのも、その土を山から持って降りるのも大変な重労働だったが、その山土は、炭素やミネラルをたくさん含んでいて、畑に少量客土するだけで、野菜の出来が安定するのだった。

 野菜や穀物、それを食べて育つ動物も、それら両方を食べて生活する人間も、大元は土に依存している。わずか10センチ程度の地球の表面にある土で作られる穀類や野菜によって、地球上の私たちの命は成り立っている。その土が人類の生存の永続性の基本を担っていると言って差し支えない。人間が生きるために必用なのは土。とても大切な土。

 やがてそんな土から遠く離れて、経済的金銭的なこと、便利なことや正義ともてはやされることが重要視され、人々はいつしか土から遠ざかっていく。有機栽培や自然農法という土とは切っても切れない関係であるはずの名前も、やがて土から離れていき、ラベルやステイタスとして一人歩きをするようになっていく。そういう私も鶏を飼うようになってからは、鶏小屋の中を堆肥場に見立ててぬかや雑草を放り込み、鶏がかき混ぜてくれて出来る鶏糞の効きの比較的緩やかなボカシ肥だけに頼って野菜を育ててきた。それで面倒な堆肥を積むのを止めてしまった。

 この鶏糞ボカシ肥ではとても立派な野菜が出来るのだが、2年前農業試験場で畑の土壌を調べてもらったら、窒素と燐が蓄積された随分偏った成分比の土になっていた。さらに、去年知り合ったN君に我が家の畑の野菜に含まれる硝酸態窒素の含有量を調べてもらったら、その値は思いの外高かった。

 硝酸態窒素とは、食べると体に悪い成分で、もちろん少ない方が望ましい。有機農法の農家の野菜はたいてい値が高いそうで、N君によると、ある自然食品店のほうれん草を調べたら、計測不能なほどだったそうだ。野菜は直接土に依存していて、ラベルが有機栽培だから、自然栽培だから、放任栽培だからそれで安心ということではないということだ。私の所も、この土のままではますます土壌に窒素が蓄積していって、私の畑の野菜を食べて生きていく私の子孫にまで禍根を残す。土作りに根底から取り組まなくては。農業を始めて23年目にして、もう一度ここからスタートだ。

 20年ほど前、熱心に原発反対を唱える陶芸家に出会った。彼は節電して、原子力発電所で作られる電気の割合分電気代の支払いの拒否をして、その結果、電力会社から電気を完全に止められていた。
 「いい給料を稼ぎ、皆と同じ横並びの生活をし、子供は塾にやっていい学校に進学させ、その上自然にも食べ物の安全にもとても気を遣って消費し、そして口では原発反対を人に唱える。そういう人が原発文化の最先端だ」
と彼は言った。深く心に響いた。

 今回の震災は、これからどうやって生きていったらいいかを再び教えてくれた。大切な物をしっかり見据えて、些細だが確かで揺るぎない日常を、大元からこれまで以上に積み重ねて生きていこうと思う。そんな生活が面白くて楽しいことは、もう十分知っている。そんな暮らしが続けられる世の中であってくれることを、心から祈る。


ピーすけ
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 今週は飼料倉庫の基礎作りをした。これは第2飼料倉庫で、第1号倉庫は木造だが、今回は密閉度の高いコンテナを設置することにした。早速H君と二人でコンテナの販売会社に出かけ、いくつかの中古コンテナを見せてもらい、比較的新しいきれいな状態のコンテナを見つけた。費用も思っていたよりも遙かに安く、いい買い物が出来て嬉しかった。

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 コンテナを置くだけなのだが、設置場所は元は田んぼだったところで軟弱なので、コンテナのサイズを計測して帰って、その寸法に合わせて設置用の基礎を打つ。測量し基礎の位置を決め、地面を少し掘って手頃な大きさのぐり石を縦にして敷き詰め、太い丸太で突き固めて、その上にワイヤーメッシュを置き、レーザーレベルで高さを確認しつつコンクリートを打つ。簡単な作業だが、基礎製作作業はそこそこの重労働でもある。二日がかりの作業となった。

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 H君には初めての作業なので、技術指導は経験豊かな私。図面片手にあれこれ指図。穴を掘ったり重い砂利を運ぶのはユンボで、操縦は機械操作に慣れた私。最も重労働のセメント練りは若いH君。その練った重いセメントを基礎穴に運んで流し込むのもH君。そのセメントをレベルを見ながらプラスチック鏝(こて)で平らにならすのは慣れた私。

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 見事なコンビネーション(?)で作業は順調に進み、しっかりした基礎が出来た。この上にU字溝を上下逆において束(つか)とし、その上にコンテナを設置する。コンテナを置くと見えなくなってしまうが、こここそが最も大事なところで、基礎の基礎たる所以。

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 これらの作業で翌朝疲れが出たのは私。H君はいつもどおり元気で、作業も面白かったとか。

 H君>(ユンボ+私)??

 頼もしくもあり寂しくもあり。


ピーすけ
2011.02.28 食糧不足
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 鶏の餌にする規格外大豆約1トンを引き取りに、兵庫県西部の農協の倉庫に行った。そらまめ農場のようにわずか成鶏300羽の鶏を飼うだけでも、餌は各種合わせて年間15トンほど必要だ。国産の物だけで餌を配合しているそらまめ農場にとっては、この国産大豆はとても助かる。肉や卵を生産するのにそのカロリーの4〜7倍もの穀類などを使うと言われるが、それは全く本当のことで、卵も鶏肉も、実はとても贅沢な食べ物なのだ。

 世界中に食べ物を満足に食べることができない人々がたくさんいて、さらに人口増加でこれから間違いなく世界的に食糧不足になるだろうという時に、鶏にたくさんの穀類を使用するのは気が引ける。でももし卵や肉を食べたいなら、人の食べない規格外品や、国際市場で取引されない国産の物を使って鶏を飼うのは、間違いのない行為だと思う。なぜなら、貧しい国の人の生産した物を金銭力で収奪したり、彼らが国際市場で買いたい食糧を高値で買って、彼らの買うチャンスをつぶす訳ではないのだからだ。

 と書くと、食糧不足は遠い国のことのように思えるが、近頃はどうもそのように思えなくなってきた。これは近い将来の日本のことではないのか?

 日本の農業従事者の平均年齢は現在67〜68歳だ。今は食料が豊富な時代だから誰も切実な問題としてとらえていないが、TPPなどに加盟しなくても、このまま放っておいたら、もう5〜10年ほどで壊滅的な状態になると思う。確かに私の村にも、もう専業農家は1軒も残っていない。みんなサラリーマンになってしまった。まもなく国内の食糧生産は激減していくだろう。

 そして今、日本の飼料用を含む穀物自給率は、わずか26%しかない。もし日本がこのまま財政破綻でもして超円安になったら、飼料用だけでなく人様の食糧も外国から十分に購入できるのだろうか?お金持ちしか食べ物が買えなくなる?いや激しい輸入インフレになったら、お金持ちもお金持ちでなくなる。そうなったら、みなさんどうする?

 輸入食糧が不足し輸入飼料が逼迫したら、国内産の穀物なども逼迫し高騰する。私は国産の飼料穀物が調達できるだろうか。今と同じだけの数の鶏を飼い続けられるだろうか。ああ、そらまめ農場の収入も…!!

 今そんな思いに悩まされている。どうかそんなことになりませんように。明日も兵庫県産大豆を買い付けに行く。


ピーすけ
2011.02.21 子豚放牧
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 娘婿のH君による果樹園電撃柵包囲網が完成して、果樹園に豚を出すことができた。決して広くない果樹園だが、わずか2頭の子豚にしてみれば、それなりの広さなのだろう。豚の体の動きから、彼らが喜んでいるのが伝わってくる。

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 子豚の時はかわいいものだが、成長した豚はとてつもない力持ちで、将来通常の柵だけでは囲いきれない。彼らは何でも鼻に引っかけて壊すし、力づくで押し倒す。そしてもし柵の外に飛び出たら、もう制御不能だ。そこで果樹園の周りには、まず鉄杭に鉄製の柵が張られ、その内側に上中下3本の電線と、手前に予備線が1本が張り巡らされた。去年の豚小屋の移築に始まって、ここまで全部H君の労作だ。そしてそれらの電線には、1.5秒に一度の間隔で高電圧が流されている。もし万一豚が予備線を越えても次の3本の電線が防御し、さらにそれを越えたら鉄柵が待っているという3段構えの防御なのだ。豚には申し訳ないが、よそ様に迷惑をかけてもらっては困るし、そもそも我が家の貴重な食料だから逃げられては困る。

 果樹園に出た子豚たちは、最初は様子見をしながらだったが、そのうち小走りをし、果樹園内の珍しい物を鼻先で調べ始めた。やがて予備線にも触れたり噛んでみたりして、その都度ブギャっと短い悲鳴を上げて飛び跳ねた。何度かそれを繰り返したら、それが柵であると理解できたのだろう、2日ほどでもう、その電線付近には近寄らなくなった。さすが犬より知能が高い豚たちだ。学習が早い。

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(豚に尻を掘られつつ作業するH君)

 電線に流れる電圧は3,000V まで昇圧してあるが、電流はわずか 0.1mA程度でほんのごくごくわずかだ。ただ高電圧なだけあって、ピリッと痛みのような感覚がする。ちょうど冬に自動車のドアに触れたとたん静電気がパチっとくる、あれの少し強いレベルだ。豚でもないのになぜそんなことが私に分かるのかって?それは今回、豚より先に誤って電極に触れてしまったから。以前イノシシよけの15,000Vの自作の高電圧発生器に誤って触れたときは、指先だけでなく肩までズキンと衝撃と痙攣が伝わり、びっくり仰天したものだが、これはたかが知れている。もちろん人間でも二度と触れたくないレベルではあるが。H君は私よりも相当用心深いので、まだ一度も接触していない。ビビってないで、豚の気持ちになって、一度くらいは触れてみなさい。

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 さて限られた範囲での自由ではあるが、果樹園に出た豚は嬉しそうで、たいてい絶えず地面を鼻で掘っている。目の近くまで地面に突っ込んで、とにかく掘る。何の為かというと、もちろん食べ物を探し求めて。生きるために食べる。食べるために生きる。豚たちはしつこいほどそれに熱心である。見習わなくては。

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 近くにある液肥用のマンホールの周りも掘る。H君が石を置いても太い丸太を乗せても、鼻でひょいとそれをのけて掘る。それでとうとう、地下の塩ビパイプが露出し始めた。このままでは壊されてしまうと彼は一計を案じ、2本の棒を突き立てて電線を張ってみた。もちろんこの線は電源には繋がっていないのだが、豚たちはそのダミーにすっかりだまされて、ここにも近寄らなくなった。これはH君の作戦勝ち。人間で言うと、羮(あつもの)に懲りて膾(なます)を吹く、蛇に噛まれて朽ち縄に怖ず、君子危うきに近寄らず、か?豚はとても臆病でもある。しかしこれは決して見習ってはいけない。いつもよく見て考えて、果敢に挑戦しよう!

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 豚が嬉しそうに遊ぶ様子は、私たちにとっても珍しく、かつ不思議な光景なので、ついつい見に行ってしまう。H君も、毎朝小屋から外に出してやるのが楽しみのようだ。そして彼自身も、時々果樹園で佇んでいる。小さい孫たちにも人気で、放牧を、豚だけでなく家族全員で楽しんでいる。

「美味しい肉になりますかね。」
と笑うH君。それはどうだかよくは分からないが、見ていると、やっぱり動物はこんな風に飼うのがいいと、理屈ではなく心に伝わってくる。写真からも、あなたに伝わった?


ピーすけ
 簡単な試運転をしてみて、何となく使えそうとな感触を得たので、セメントでめがね石を作り、2階の壁を煙突用に四角くくりぬき、ステンレスの煙突にも耐熱塗料を塗って、ストーブ設置の準備をした。このストーブはもともとは廃油ストーブだったから、高熱に耐えられるよう6ミリ厚の鉄板が使われており、さらに5ミリ厚の鉄パイプのヒートライザーや粘土も入っているので、とても重い。おそらく80Kg以上の重さがあると思う。3人がかりでストーブを2階に運び上げ、煙突を少し加工してつないだらもう夜9時だったが、直ちに試運転をした。

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 左手前の煙突のダンパーを開けておいて、薪にガスバーナーで着火する。いとも簡単に火が付いた。そしてストーブ内部が十分に熱を持った頃、ダンパーを閉めて後ろ下部の本煙突に切り替えた。1〜2分は火力が落ちたが再び勢いよく燃えだした。そしてその後も、私が思っていたよりもずっとずっとよく空気を引いて音を出して燃えた。制作途中の試運転と違ってまともな煙突を取り付けたから、それがより空気を引いたのだと思う。そしてストーブは、嬉しいことに想像以上の暖かさだった。外気温が氷点下の夜、8畳の部屋5部屋分を一気に暖めたのだが、1時間半ほどで室温が20度を超えた。手作り品でこの能力とは!私感動、妻も喜ぶ。

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 さて焚き口はこんな形をしている。10センチ角の角パイプを切り貼りして作った。蓋を開けて上部から薪を入れる。長さ35センチまでの薪が入る。下部には灰を取り出すシャッター付き。

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 正面には空気取り入れ用シャッターがあり、空気量を調節するようになっている。ここからガスバーナーで薪に一気に火を点ける。炎はストーブ内部に引き込まれていく。燃焼を始めた薪は下だけが燃えて、燃える都度、自重で順番に下に降りて来る。そのたびにゴーっと空気が入る音が変化して激しく燃える。

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 蓋を開けたままでも長い薪を突き立てて燃やせるかどうか、そしてここから煙が逆流しないか心配だったが、何の問題もなく、コトコトと音を立てて降りていきつつ燃えて、その夜はとても順調だった。時々薪を追加しつつそのまま焚き続けたら、室温は24度まで上がった。暑く寝苦しい夜となり、Tシャツで、布団を蹴り飛ばして寝た。

 翌朝早く目が覚めて、そのまままっすぐストーブに向かい、直ちにストーブに点火した。朝起きるのが楽しいのは久しぶりだ。14度まで落ちていた2階の室温は、すぐに20度に上がった。嬉しかった。私の家の2階はツーバーフォー工法の断熱効果の高い家なので暖まるのが早いのかも知れないが、それにしてもなかなかの性能である。1階で稼働している薪ストーブよりも暖かいのではないか。

 しかしその日の昼、長い薪を入れたままストーブを焚いて屋外で仕事をしていたら、家の2階から、煙探知機(火災報知器)のけたたましい音が鳴り響いた。あわてて2階に上がってみると、部屋中が煙にまみれていた。ロケットストーブの焚き口からは、もうもうと煙が吹き出していた。せっかくうまくいったと思っていたので、少しがっかり。気を取り直して焚き口を改良する。

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 延長用蓋付き焚き口(左側)を作った。これまでの焚き口に継いで使う。燃焼部の横面にも、断熱用の鉄板を貼り付けた。

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 薪投入口は合計60センチの高さになり、ストーブ本体との間には、投入口が熱を持ちにくいように遮熱用の鉄板も入れた。

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蓋は回して開ける。下部の空気取り入れ口とこの蓋で、空気の流入量を調節して、煙の流出を防ぐ。下部9割上部1割くらいの割合で空気を送ると、煙が逆流せず、かつ下部から勢いよく空気を吸い込んで燃焼する。

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 10センチ角の焚き口に50センチの長さの薪(檜材)を3本入れて燃やすと、1時間近く燃え続ける。

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 それと同量の薪を倍の6本に割って入れると約30分間ほどでで燃え尽きるが、とても暖かい。多分暖かさは2倍。だから一気に暖かくしたいときは、薪を細く割って燃やせばいい。 つまり火力調整は、薪の太さで行うということだ。空気量を絞って調整しようとすると、不完全燃焼して煙突から煙が出る。いつも最高の状態で空気を送り込んで、薪を余すところなく完全燃焼させるのが熱効率がいいようだ。そうすれば煙突に煤やタールも付きにくい。

 ストーブ本体の煙突口の煙(ほとんど無煙か水蒸気)の温度は65〜85度だった。思ったよりも低い温度だった。背が高く(80センチ)かつ分厚いストーブ本体の円柱の鉄板が、燃焼熱の大方を奪っているためだと思う。ストーブ本体の天板ではやかんの湯が沸くが、下部は、手で触れられるくらいの温度になっている。

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 この煙突からさらに熱を奪うために、ストーブの背後に扇風機を置いてみた。この扇風機で、煙突だけでなくストーブ本体にも風を当てる。普通のストーブなら、煙突はもちろん、ストーブ本体を冷やしたりするとうまく燃えなくなるが、このストーブは全く問題がない。この扇風機のおかげで部屋全体が均等に短時間で暖まると共に、煙突の室外への排煙の温度は40度台まで下がった。つまり、燃えた薪の熱は、殆ど室内に放出されていることになる。とても熱効率がいい。確かに薪の使用量も少ない。これで毎年の大量の薪作りから解放されそうだ。ロケットストーブの仕組みを考え出したどなたか、どうもありがとう!!

 今後1階の薪ストーブもロケットストーブに更新するべく、現在材料を物色調達中だ。ヒートライザーをもう25センチほど長くし、ヒートライザーとストーブ本体の隙間ももう少し広げてみて、もっと高能力な2号機を作ってみようと思っている。ストーブ作りと言いながら堂々と火遊びできて、私は本当に嬉しい。


ピーすけ

追記
 時々空気の引き込み(ヒートライザーの押し出す力)にムラがあることがあり、外部煙突を2重煙突にしたら安定した運転ができるようになった。外部煙突は横引き2m、縦0.8mで、横引きが長い分、外気の影響を受けていたようだ。このストーブは、今回の煙突に対して何とか排気を押し出せるリミット付近の力であるということかもしれない。もちろんストーブ本体とヒートライザーの隙間をもっと広げると押し出す力は強くできるだろうが、その分熱も煙突を通って室外に逃げるので、今の設置条件では、今の状態が最も熱効率がよいのかも知れない。二重煙突設置後は燃焼がよくなった反面、薪の消費も少し早くなったような気もするが、同じ調子で燃えるので安心していられる。
 
 また薪を入れることを忘れたり、薪が引っかかって落ちずたびたび消火するが、薪ストーブに比べて点火は短時間(1分以内)でとても容易で、それで十分暖かい。室温が上がったら放置して、下がってきたら火を点けるという、ちょうど薪ストーブとファンヒーターとの中間のような使い方ができて便利だ。そしてファンヒーターよりは確実に暖かいし、室内の暖かさも持続する。薪ストーブとも違う柔らかい暖かさで、焼いた鉄と暖められた鉄の違いかとも思う。オイルヒーターのような暖かさか。

 先日次作のもう少し大型のロケットストーブ(1階用)の部材も届いた。温度調節用の新しい工夫も早く試してみたい。

ロケットストーブの構造 ロケットストーブ 構造 ロケットストーブ 自作 ロケットストーブ 小型 ロケットストーブ 作り方
 今週は、毎日朝早くからストーブ作りに精をを出した。寒空の下、鉄パイプを切り帯鉄を曲げ、鉄板を削り溶接をする。まだ雪も残り、昼間も3度くらいまでしか気温が上がらず、体もほとんど動かさないので手もかじかんで、鼻水も出る。寒いときに限ってこういう仕事をしなければならない哀れな私、じっと手を見る。

 それはともかくロケットストーブ作り。ざっとしたストーブの図面(本人のみに読めるいい加減なもの)を書いて、大方はその場その場の思いつきと手元にある廃材などの材料を使いながら、その都度あれこれ変更しつつ思案して作る。

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 ヒートライザー(燃焼筒)に薪を入れて燃やしてみる。そこそこ燃えるが、筒を断熱していないからか、下でちょろちょろ燃えて、炎が上まで上がるということは全くない。まぁこんなもんか?

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 ヒートライザーの前後に、斜めの切り込みを入れてみる。
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 その切れ込みに3センチ幅の帯金を差し込み、外側から溶接する。燃焼した熱気が、差し込んだ帯金の羽根によってヒートライザー内で渦を巻きながら上昇するようにする。

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 テストしてみる。炎が渦を巻いて空気とよく混ざるからか、またヒートライザー内面に炎が接触しつつ上がるからか、ヒートライザーの赤熱が早いような気がする。 気のせい?薪を多めに入れた?よく分からん。

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 ロケットストーブの本煙突はストーブの下部にあるので、最初は空気の排出がうまくいかず火が付きにくいことが予想される。元から有る手を挙げたような形の煙突を、初期点火専用の吸い出し煙突に使うことにする。

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 そのために、煙突切り替え用のダンパーを作る。グラインダーで鉄板を少しずつ切り出して丸くしていき、吸い出し煙突の内径に完全にぴったり合うようにする。ボルトに穴を開け、タップでねじ穴を切り、丸い鉄板を小ねじで正確に取り付けられるようにする。煙突にボルトのねじを切り、ボルトを煙突にねじ込んでから、正しい位置に鉄板を取り付ける。ねじ山に沿って円盤付きのボルトが狂いなく正確に回転し、ほぼ完璧に隙間なくダンパーが閉まる。

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 ダンパーを開けたところ。

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 閉じたところ。ボルトの頭を切り、丸棒を曲げて溶接してハンドルにした。

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 焚き口は、元からあった掃除口をそのまま使う。

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 ヒートライザーを入れ、波板を丸くしてステンレスリベットで止め、ストーブ本体に入れる。波板を用いたのは、熱気が波板の目に沿ってまっすぐ下部に流れて行くようにという意図からだ。熱気はストーブ本体をくまなく暖めてから煙突から出て行って欲しい、という考えからだ。波板とストーブ本体の間の熱気が降りていく隙間と、ヒートライザー上部と天板との隙間は、H君にもらった本に書いてあったとおりにちゃんと計算して決めた。

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 赤土を練ってストーブの下部に入れ、ヒートライザーと波板の下部を固定する。

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ホームセンターで買ってきたパーライトを、断熱材として波板とヒートライザーの間に入れる。

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 上部を粘土で固める。早速焚き口から薪をくべてみる。粘土の水分が有るためか、なかなか燃え上がらない。

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 しばらくしたら、内部が赤熱してきた。

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 試しに上部から小さい木切れを放り込んでみる。約70センチの長さのヒートライザーから、猛烈な炎を吹き出して燃える。これはすごい。かなり嬉しい。

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 焚き口に10センチ角の角パイプを差し込んで焚き口にする。上部には鉄板の蓋をして、試運転をする。さてどうなるか、興味津々。

 ところがあれれ、さっぱり燃えない。初期点火専用の吸い出し煙突のダンパーを開けると勢いよく燃えるが、閉めると火力が著しく落ちる。焚き口からは煙が逆流することも。これは失敗だ。ストーブ本体がドラム缶タイプよりも小さい場合は、熱気の降りる隙間を、本に書かれている割合よりも広げなければならないのかも知れない。そしてヒートライザーと天板との隙間も狭すぎるのだろう。やっぱりやってみないと分からないものだ。やり直し。

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 前回の波板を引っこ抜いて、粘土もパーライトも全部取り出して、今度は直径を2センチ狭くした筒を用いる。波板はやめて、平鉄板を使った。作業はしやすい。ヒートライザーも短くして、天板から5.5センチ下げる。

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 その代わり、ヒートライザー内を渦を巻いて上がった熱気がそのまま渦を巻いて降りて行く様に、ストーブ内部に螺旋状にガイドを付けた。ぐるぐる回って上がった炎は、そのまま同じ方向に渦巻きながらストーブを降りていく…はず、…多分。渦巻いて、お願い!左上部にある穴は、初期点火用煙突の穴。

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 ヒートライザーの周りに粘土を入れ、

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丸めた鉄板を差し込みパーライトを詰めて、粘土で蓋をする。早速天板を閉めて燃焼テストをする。

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 今度はうまくいった。完全燃焼しているので、煙突からは蒸気だけが上がる。この蒸気はたぶん粘土の水分。ストーブもそこそこ暖かいようだが、寒い室外なのでよくは分からない。角パイプを差し込んだだけの焚き口は、10分おきに薪を押し込んでくべなければならず、時々煙も上がって、このままでは室内で使うには不適だ。一晩寝て、新しい焚き口を考える。

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 そして新しい焚き口が着いて、完成したのがこれ。全面に耐熱塗料も塗った。うまく燃えるかしらん?今回は、たくさんの写真をアップするのに疲れた。さてこの続きは次回。お楽しみに。


ピーすけ

ロケットストーブの構造 ロケットストーブ 構造 ロケットストーブ 自作 ロケットストーブ 小型 ロケットストーブ 作り方
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 今年の冬は寒い。特に1月に入ってからは夜はずっと氷点下まで冷えて、水道が凍結しないように水を出しっぱなしにして寝る日も多い。朝から晩まで休み無くストーブを焚くので、野菜かご2ケースの薪を一日で使い切る日も多く、そろそろ薪の在庫量が気になってきた。

 我が家と同じく薪ストーブを焚くYさんもSさんも、寒い冬は、広いリビングルームにある薪ストーブはあまりに薪の消費量が多くて、その薪の調達にかける労力もばかにならないので、狭い部屋に閉じこもって他の暖房器具を使うと話していたけれど、その気持ちはよくわかる。私も、家族がみんな出かけてしまった時には、私一人のために薪ストーブで家中を暖房するなんて、もったいなくてとても出来ない。そういう時は寝室だけを暖めて、そこにパソコンやあれこれ持ち込んで、一日中そこで過ごす。行動範囲が狭くて便利で、眠くなったら寝ることも出来て、これはこれで居心地がいいが。

 そんな時、我が家に遊びに来てくれたH君が、ロケットストーブというユニークなストーブの存在を教えてくれた。薪の消費量が3分の1から5分の1で済むという手作りストーブだそうで、アメリカで考案されて、数年前から日本でも導入され始めているらしい。自然エネルギーについてはそれなりに興味があって、いつも何かとアンテナを張っている私だが、これについてはまったく知らなかった。H君ありがとう。

 早速ネットで検索し、Youtubeで動画を探して見入る。いやいやこのストーブは面白い。そしてすばらしい。これまでの薪ストーブとは発想も構造もまったく違うが、薪ストーブを使ったことがあれば、このアイデアの秀逸さがわかる。そしてやっぱり、薪の量が少なくてすむという熱効率の良さに惚れる。これはぜひ我が家にほしい。

 日本ロケットストーブ普及協会 
 http://www.pionet.ne.jp/~kyoseian/rocket.html

 この独特の形状のストーブを、我が家に合うように作るにはどうしたらいいかあれこれ考えて、数日後H君に連絡を取ったら、資料を送ってくれた。重ねて感謝。その翌日別のお客さんがあり、寒かったので薪ストーブの前に案内したら、彼の口からもロケットストーブという言葉が。知らぬは私だけ?そんなに流行ってるの?皆さん知ってる?

 何かストーブ作りに使える材料が無いか、物置をあれこれ物色する。こういうときにガラクタを集めておくと便利だ。ドラム缶や空っぽのプロパンガスボンベにも目が行くが、自動車修理工場のBちゃんからもらった背の高い壊れた廃油ストーブが、物置の奥で眠っていることを思い出した。

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 目を覚ませ。君の出番だ。我が家のためにもう一度働いてくれ。(へい、わかりました。とでも言いそうな格好のストーブ)

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 早速これを改造して、試作品を作って見ることにした。

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 うまくいったら我が家に導入することにする。

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(煙突穴開け)

 出来ればこの冬の間に設置したいな。もう薪も残り少ないし。

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(煙突口溶接)

 マッチ売りの少女のように、暖かいストーブのある部屋を夢見つつ、小雪舞う寒い屋外で終日作業する。。

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(ヒートライザー)

 熱中しすぎたのか、昨晩は、ロケットストーブが調子よく燃える夢を見た。これは正夢?


ピーすけ


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